2012/09/24

ワンセグチューナー DS-DT305をソフトウエアラジオ化するのまとめ

ワンセグチューナーのSDR化についてはWeb上にもありCQ誌10月号にも載ったので、書かないつもりでしたが、私自身が失念しそうなのでメモ程度に記しておきます。

1. FT-1000(FT-1021)のSDR/スペアナ化についてはここに書いています。IF OUTのある無線機なら他機種でも応用できるでしょう。ブロック図が全てですが、PCのオーディオ出力を入力に戻してやれば、他のDSPソフトウエアで信号処理することも可能と思います。なお、IF OUTがHF帯の機械ではDT305ではなく「Soft66」辺りが安上がりと思います。見れる範囲は無線機側のIF OUTの帯域に支配されます。Soft66の場合はサウンドカードのサンプリング周波数に依存しますが、IF帯域の方が狭いでしょう。

2. 流星電波観測(HRO:Ham Radio Observation)については先日ここに書いたのですが、ソフトの設定ができている前提で書いていますので今回は順を追って説明します。
 RTL2832を使用したUSBワンセグチューナーは1,000円~5,000円くらいで市販されていて外部電源も不要なので、新たに受信機を買うより安上がりと思います。ただ、「元はワンセグチューナーだろ?」と不安のある方は、同様のシステムが「アイキャスエンタープライズ」からお手頃価格で「SDR」として販売されていますので、それを利用されてはいかがでしょうか。

SDR化
(1)「HDSDR」を http://www.hdsdr.de/ からダウンロードして、Windows PCにインストール
(2)RTL2832用のドライバー(圧縮ファイルで配布されています)「ExtIO_USRP+FCD+RTL2832+BorIP-BETA_Setup.zip
」を http://wiki.spench.net/wiki/USRP_Interfaces#Installer からダウンロードしてインストール。
(3)http://spench.net/drupal/files/librtl2832++.zip で新版DLLをダウンロードしてHDSDRフォルダにある古い「librtl2832++.DLL」を上書き
(4)「DS-DT305」をUSBに接続
・・・Windows7ではそのままでインストール完了する
・・・Xpではハードウエアウイザードが開始されるので「キャンセル」
(5)「HDSDR」をインストールしたフォルダの「Zading.exe」を起動させ、Optionsをクリックし「List All Devices」にチェックを入れるとDevice欄プルダウンメニューに「RTL2832U」があるので選択して「Install Driver」をクリック。
(6)「HDSDR」を起動するといきなり「ExtIO_USRP」が出て「Faild to、、、、」と言ってくるのでとりあえず「OK」をクリックして閉じる
(7)「HDSDR」の画面上で「h」キーを押すと「Device control」が出るので「Device hint」欄に「RTL」と打ち込んで「Create」 →「調整項目参照」
(8)「HDSDR」の「Soundcard [F5]」で使っているサウンドカードを選択(たぶんデフォルトでOK)
(9)「HDSDR」の「Start [F2]」をクリックすると、とりあえず受信開始します ヽ(^。^)ノ


ここからHRO受信機化
(10)「HROFFT」はネット上には公開されていません。最近「MROFFT」というソフトが公開されましたので、まだ「HROFFT」をお持ちでない方は、そちらを利用されるのも手かと思います。以下の手順は「HROFFT」の使用を前提に書いていますが、「MROFFT」でもほぼ同じと「思われ」ます。まだ、試していません。
(11)「HDSDR」の周波数「Lo」53.7500あたり(目的周波数にきっちり合わせるとLOを受信してしまうので受信したい周波数の10kHzくらい上か下にするとよいでしょう)、「Freq」を53.7492、電波形式はとりあえず「USB」に合わせます。「AGC off」にしています。(初期状態ではFずれがあるようです。要調整です。)
(12)PCのオーディオ出力をPCのマイク入力に繋ぎます。通常3.5mm3極。百均にもあり。マイクはモノラルで3Pの一つはマイク用電源ラインですが、ほとんどのPCでは無視しても大丈夫です。(たぶん。でも責任は持ちません。)
※ こんなケーブルを繋がなくてもパソコン内部で処理してくれる設定があったと思いますが、思い出せません。使用している音源にもよるのか。→オーディオのプロパティの録音コントロールにMono MixかStereo Mixのオプションがあれば選択することでケーブル不要となります。
(13)「HROFFT」を起動して、画面が薄い水色になるよう「HDSDR」のVolumeか「HROFFT」のSignal Levelを調整します。信号が入ると800Hzあたり(53.7492の時)に黄色い点~横線(ロングエコー)となって現れます。黄色い縦線は他の信号やノイズです。

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*** HDSDR調整項目 ***
(再掲)
・HDSDR画面でSpectrum____Zoomのスライダを右に動かすとスコープのカバー範囲が狭まり(表示上の分解能は上がる)ます。カバー範囲を15kHz位まで狭めるとCPU使用率が20%くらい下がるようです。Zoom____Speedのスライダを動かしてスピードを落としてもCPU使用率が下がります。
・HDSDR画面でhit「h」keyで現れる「Device control」画面で
-Device hint欄のRTL readlen=****の数字は512の倍数で入力し、数字を大きくすると遅いPCでも処理速度が向上するようです。なお、変更内容は「Create」をクリックしなければ反映されません。
-Sample rateは0.1単位で入力でき、大きくなるほど処理能力が求められます。
-Offsetは送信にもHDSDRを使うときの送受信シフトに使うのかな??いじりません。
-Gain/Attenuationはゲイン調整でMax方向で感度が高くなりますが、元々ワイドバンド受信機なので混変調等が起きやすくなるかもしれません。

*** DS-DT305の周波数校正 ***
私の使用しているDT305-1号機は初期状態で2.6kHz(53.750MHzにおいて)もずれていました。
「Options (F7)」から「ExtIO Frequency Options」を開くと、「LO Frequency calibration」側の「Current Tune Frequency[Hz]」に現在表示されている周波数が出ているので「Correct Tune Frequency[Hz]」に真の周波数を入力し、「Calculate LO Correction Factor」をクリックして校正します。
たとえば53.7500000の電波を受信してスコープに現れた帯のところにポインタを持っていきクリック(Tuneに表示されている周波数が53.7518000とかに変わります)、Correct Tune Frequency[Hz]に537500000と入力して校正完了です。
***20121023追記:周波数校正は「ExtIO Frequency Options」で一旦「RESET」(補正値=1を確認)後に基準となる周波数を受信して行ってください。そうでないといつまでも追いかけっこになって、校正できません。

2 件のコメント:

kiyo さんのコメント...

私も周波数ズレを感じましたが
RTL-SDR/USBに変えたら大分安定しているような気がします。

http://kiyosan.com/bg/2012/10/rtl-sdr%e6%96%b9%e6%b3%95%e3%81%af%e8%a4%87%e6%95%b0%e3%81%82%e3%82%8b%e3%82%89%e3%81%97%e3%81%84.html

IQ1 さんのコメント...

コメント有難うございます。
QRHは12時間で40Hzくらいあり、その後安定しています。Fずれは最初から数百Hzから1kHz程度ずれているようです。これをoffsetで補正すると大幅に周波数を変えた時にずれてしまいますのでやはり、原発信で補正する必要があると思います。
(kiyoさんの大きい放熱器にびっくり)